我が国における洋菓子文化は、明治の文明開化とともにその歴史を刻み始めました。その後、徐々に普及し、ようやく日本人になじみ始めた矢先、大正期から昭和初期にかけての度重なる戦禍、特に第二次世界大戦における戦時統制下、我が国の洋菓子業界は壊滅的状態に陥りました。
そして敗戦後、疲弊、混乱した経済状態から立ち上がり、幾多の困難を乗り越えて今日の繁栄の基礎を築き、西欧諸国の技術も取り入れて驚異的な発展を遂げてまいりました。

そのような業界再起の黎明期である昭和23 年10 月、先人諸氏のご努力により大阪府洋菓子工業協同組合が設立され、一致団結して組織の充実、製造技術の錬磨、衛生思想の徹底等に尽力してこられた先人のご努力は、今なお現組合に脈々と受け継がれております。

現在、本組合は大阪府菓子工業組合をはじめ、全国団体である全日本洋菓子工業会、日本洋菓子協会連合会を上部団体としてその傘下にあり、関係諸官庁をはじめ各機関、団体との緊密な連携を図りながら各種事業を展開しております。

昨今、私共の業界を取り巻く環境は、競争激化とともに労働問題をはじめ、人手不足、慢性的な原料不足や価格高騰、食品表示、衛生管理など、難しい問題が山積しております。このなかで今後一層の発展を期すには、さらなる経営の合理化と企業体質の強化、そして何より食品の安全・安心を担保することにより消費者の満足を得ることが重要であると認識致しております。

最後に、当組合は本年、創立70 周年の大きな節目の年を迎えております。この長い歴史を築いてこられた先人の思いを引き継ぎ、この誇りある業界の永遠の発展を目指し、今後も努力を重ねてまいる所存ですので関係各位におかれましては倍旧のご理解とご支援、ご協力を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。